水中モーターの話
ROVを作るにあたっては水中用のスラスターとそれに使う水中モーターが必要になります。
今日はこの水中モーターについて書いていきます。
常人であればBlue Roboticsのスラスターを買って終わり。にするところですが、厄介な逆張りオタクとしてはできる限り自作していきたいわけです。(交換部品をすぐに調達できるのもメリット)
Blue Robotics(BlueROV)のスラスター:https://bluerobotics.com/store/thrusters/t100-t200-thrusters/t200-thruster-r2-rp/
スラスターのモーターは防水性とパワー、制御の面からBlue Robotics等と同じくブラシレスモーターを使用します。大深度向けや大型のROVになると油圧モーターだったりするわけですが、家庭用の小型のROVならこれで十分です。
実際、近年の小型ROVの大半が、防水加工が施されたブラシレスモーターをスラスターに使用しています。
自分が学生の頃(言うて数年前ですが)はこうした防水加工がされたブラシレスモーターが(Blue Roboticsのもの以外)市販されていませんでした。ですので修士論文用に作成したROVでは、よくある空物ラジコン用のブラシレスモーターをシャシブラックのような高耐候の塗料で塗装し、ベアリングもSUSのものに打ち換えて使用していました。
しかし、近年は水中ロボット(水中ドローンといったほうが馴染みがある?)ブームが起きている?こともあり、通販等で水中用ブラシレスモーターが簡単に手に入ります。
実際、OpenROVと言われるBlueROVの祖先のようなオープンソースのROVでは空物ブラシレスモーターがそのまま使用されていました。
自分はこのOpenROVも触ったことがあるのですが、これがどうも少しずつ漏電している(もしかするとゴミ等でモーターのコイルのニクロム線が傷つくのかもしれません)ようで、モーターまわりの配線が激しく電蝕してすぐ使い物にならなくなったり、ベアリングもすぐにダメになっていました。
なので、やはりある程度の対策は必須になります。
今回は上記の経験から、空物ブラシレスモーターは、上記の対策をするのに手間とお金がかかること、また、Kv値(回転数の指標)が高く水中用に適していないものも多いことから使用せず、あらかじめきちんと対策がされた良さそうな水中用ブラシレスモーターを探して使用することにしました。
・その1:謎の水中モーター(メーカ不明、F2838-350kv)
メーカーもわかりませんが、それっぽい水中モーターです。
値段は$15~ぐらいでかなりお手頃です。
購入後手持ちのESCで回してみましたが、特に問題なく回っていました。ただし、ベアリングのグレードが低いのか、手で回した際には少し引っかかるようなゴリゴリ感があり、中のコイルを固めた樹脂も荒っぽく仕上げがされています。
商品リンク:https://ja.aliexpress.com/item/1005006068756236.html?channel=twinner
写真忘れ。そのうち撮ります。
・その2:謎のメーカーDiamondynamicsの水中モーター(D2216-500kv)
こちらは謎メーカーDiamondynamicsの水中モーターです。見た目はBlueRoboticsが昔販売していたモーター($150ぐらいしたはず)と似ていて、中の作りもそっくりです。
値段は先ほどの物と同じ$15~(BlueRoboticsの1/10近い!)ですが、中の樹脂の仕上げもベアリングの感触もこちらの方がはるかに上でした。
商品リンク:https://ja.aliexpress.com/item/1005003010018949.html?channel=twinner
まあもう上の書きっぷりを見て頂ければ明らかだとは思いますが、今回は後者(謎のメーカーDiamondynamics)の方の水中モーターをメインとして使用することにしました。
もう1つの方も何かしら使い道を見つけて使っていくつもりですので、今後、水中での使用や、長期の耐久性で問題が出れば、また記事にしていきたいと思います。
ではでは。
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